カーペディエム!〜 舞台『いまを生きる』感想

 


舞台『いまを生きる』大千穐楽おめでとうございます!

 

 
正直全公演できるか分からなかったし、年末頃にはノックスが代役になったらどうしよう…と不安に思うこともありましたが、無事にいま生きカンパニーがこの日を迎えることができて良かったです。
 
今のような状況で、東京・大阪・愛知の全公演終えることができたこと。そして観劇することができたのはカンパニーや関係者の並ならぬ努力があってこそなんだなと改めて思いました。本当にありがとうございます。
 
 
いまを生きるという作品、そして、幕が上がった初めての影山くんの外部舞台の記憶を忘れたくないなと思いブログにまとめることにしました。
 
 
※超主観的な感想・考察をまとめた(ノックスを中心とした)備忘録です。
※まとまりがなく拙い文章ですみません。

 

 


ノックス・オーバーストリート(影山 拓也)

ノックスは本当にまっすぐな人。
冒頭のウェルトンアカデミーの四本の柱を言っていく時の「名誉とは、信念を貫き、義務を遂行すること。それは優れた人間の本質。」という台詞を会場を見渡しながらまっすぐな瞳で言うノックスが大好きだった。そして、台詞の内容からも、唯一あの瞬間だけはノックスに影山くんを重ねて見てしまいました。
(少し脱線しますが、パンフレットで影山くんが「仕事をしているときはノックスかもしれません」と言っていたのが、影山くんのアイドルという仕事に対しての信念やマインドが好きなところの一つなので、影山くん自身もそう思っていたことが嬉しかったです。)
 
クリスへの恋心に対して一直線なノックスは見ているこちらが思わず照れてしまうほど。パンフレットで「ノックスはいい意味で普通」と言っていたけど、私は、今のこの時代ノックスほど自分の想いにまっすぐに行動できる人間はなかなかいない気がするなぁと思った。
 
 
以下、ノックスに関するシーンで特に好きなシーンを厳選して何個か挙げていきます。(本当は好きなシーンがありすぎて全部書きたいくらいだけど!)
 
・パーティーでクリスに出会って恋をするシーン
台詞もパーティーのシーンということを表す描写もないけれど、音楽とあの数秒のノックスの表情だけで恋に落ちたことを表しているのが良かった。
 
・詩を詠むシーン
洞窟で「私は愛の預言者。愛の神が存在するなら、私が愛を教えよう。と詠むのも、ノックス自作の「天はクリスと言う名の少女を創造した。〜」の詩を詠むのもどちらも好きだった。
ノックスが恋しているシーンはどこかファンタジー感があるなと思っていて、まさにこの詩がその恋しているノックスのファンタジー感を体現しているようにも感じられました。(細かすぎるポイントですか、自作の詩の中の「どうやって?」の言い方がものすごく好きでした)
 
・クリスへの告白シーン
なんと言ってもこれに全てが詰まっているし、この告白シーンの一つ一つのノックスとクリスの台詞がファンタジーっぽさがあって可愛くて大好きだった。
特に「死せる詩人の会の名にかけて」「何なのそれ?」「誓いの言葉」という一連のやり取りの台詞に胸がぎゅっとなった。ノックスにとっての死せる詩人の会の存在の大きさを感じられたシーンでもあって、大好きなクリスに一世一代の告白をする時に死せる詩人の会の名前を出すというのが、クリスと同じくらい大切な存在だったんじゃないかなぁ。
そして、(これに関しては記憶が曖昧なので間違ってるかもしれないのですが)この告白のシーンで2人の間の柱が2人の心の境界線を表しているように感じられて。「引き下がると誓うよ」と言いながら柱から一歩下がるノックス、その後ノックスの告白を受け入れて柱を超えてノックスに手を差し伸べるクリス。柱を越えることに意味を持たせてるんじゃないかなぁと個人的に考えたりもしました。
告白後のニールの劇を見るシーンで手を繋ぐ瞬間を観るのも楽しみの一つでした(多分みんなそう)。初日を経て2日目からいきなり自分の膝の上に手を乗せて手を包み込んでたのも良かったし、個人的に一番ぐっときたのは、ノックスがクリスの手を見ずにクリスの手を取って自分の膝に持ってきた日でした・・・
 
・ラストのキーティング先生を見送るシーン
キーティング先生が教室に入ってきて、ずっとキーティング先生のほうを見つめているのが印象的でした。見つめているというより目を離せないというか…。
「おおキャプテン!我がキャプテン!」は毎回色々な感情を感じられて心を揺さぶられたけれど、日によって言い方が少しずつ違っていたのが、まさに舞台はナマモノだということを実感しました。
 
 
改めて、影山くんの演じるノックスを観ることができたのが本当に幸せでした。
やっぱり影山くんの声や表情は舞台映えするなぁと思ったので、これからもっともっと外部舞台に出てほしい!そしていつか主演舞台が見たい!特に、今回ノックスが何度か0番に立って演技するシーンがあったので、いつか座長として0番に立ってカテコで挨拶する影山くんが観たいなという想いが強くなりました。
 
役作りに関して言うと、劇中で、ノックスだけ制服のボタンを1つ閉めで(他のみんなは全開か全閉め)、もしかするとそこも影山くんなりのノックスの役作りというか拘りなのかなと思うと、またノックスに対しての愛情が湧いてしまいました。
 
もうノックスを見ることができないと思うと寂しいけれど、いつまでもこの影山くんの演じたノックスの記憶を忘れたくないなぁと思います。
 
 
 
ニール・ペリー(瀬戸 利樹)
ニールに関してはまだまだ自分の中で考察が足りてない部分もありますが、"トッドとの関わり"と"芝居とお父さんと死"という2点が印象的でした。
 
トッドとのシーンだと、どんな時でもトッドを心配そうに見守っている姿がまるで親のようだなぁと思いながら観てました。「僕のことはほっといてよ」というトッドに対して「嫌だ!」って言えるニールが良かったなぁ。
 
そして、「僕が運命の支配者だ!」という台詞がすごく好きだなと思っていたのですが、改めて考えると本当にその言葉通り自分自身の運命を自分で決めてあのような選択をしてしまった訳で。
これもかなりの主観なのですが、順応性の授業が後のニールの自殺の伏線、とまではいかないけどリンクする部分があるのかもしれないなと思いました。簡単にまとめると、順応性の授業では自分の信念を貫き通すことは難しいということを教えていて。ニールは「芝居をやりたい!」という自分の信念をお父さんを前にして貫き通せなかった。その結果、あのような選択をしてしまったのかなと。それと同時に、ニールの中で"芝居"と並ぶほど"お父さん"という存在の大きさを感じてしまいました。ニールのお父さんに対しての感情に着目して観たかったなぁと今になって思いました。
 
初演を観ていないので宮近くんの演じるニールも観てみたかったという思いもあるし、俳優である瀬戸くんが芝居が大好きなニールを演じるからこそ出てくる意味や台詞の重みもあったんじゃないかなと思いました。
(舞台とは関係ないですが、間近で見る瀬戸くんの瞳があまりにも輝いていて"ダイヤモンドのようだ!"と思ったのが記憶に残っています)
 
 
 
トッド・アンダーソン(佐藤 新)
初日に感情を揺さぶられて泣いたのはほとんどトッド関係じゃないかというくらい感情移入してしまいました。
キーティング先生、そしてニールとの関わりを通して心を開いていき表情が変わっていく様子が嬉しくもあり、でもこれから待ち受ける展開を考えると苦しくもあり…
特に最後辺りの教室のシーンで、「書いた詩を早く見せたい!」とワクワクした表情でニールを待っている姿が観ていて辛くなり、1番胸を締め付けられたシーンでもありました。
 
新くんの演技を見る度に成長に驚いてるので、これから彼の演技がどうなっていくのか益々楽しみになったし見守っていきたいなと思いました。
 
 
 
ティーヴン・ミークス(基 俊介)
ミークスはとにかく可愛かった!
教室のシーンで机の前の棒に脚を乗せて座るところや、地面に座る時の体育座りや、中盤の机の上に乗って見渡すシーンの乗り降りの時など、そういう随所にミークスの性格が表れているのが良かったなぁと思います。座り方関連で気になったのは、(毎回そうだったかの記憶が曖昧ですが)最後の死せる詩人の会のシーンだけ片膝を立てて座っていたのがもしかしたら何か意味があるのかなぁと印象的でした。
そして、死せる詩人の会のシーンで煙草を吸う姿は毎度心の中で拝みながら観てました 笑
 
ミークスの心情の変化などは追いきれなかったのでもっとちゃんと観たかったなぁという思いもあるのですが、基担の皆さまの感想を読んでもっと深めたいなと思います。
 
 
 
チャールズ・ダルトン(三宅 亮輔)
チャーリーとノックスの友情も劇中の好きなシーンの一つでした。
後に観た映画ではノックスとミークスが同部屋っぽく、初演ではノックスとミークスが仲良いというレポを見たので、役者の演じるキャラクター的に今回はこの2人が同室で仲良い設定にしたのかなぁと思いました。
 
1番印象に残っているのは、最後の死せる詩人の会でみんなで「生きろ!生きるんだ!」と言っている時のチャーリーの表情。その裏ではニールが死を選んでしまうのですが、もちろん死せる詩人の会のみんなはそれを知らない。でも、チャーリーだけは辛そうでもあり今にも泣き出しそうな表情で「生きろ!生きるんだ!」と言っているのが、まるでニールに問いかけているように感じてしまいました。
 
チャーリーの仲間想いの熱い性格が最後まで表れていたのがかっこよかったし、大好きなキャラクターでした。
(そして、影山くんと三宅くんが並んだ時の顔の並びがめちゃくちゃ好きでした。ありがとうございます!(おい))
 
 
 
リチャード・キャメロン(市川 理矩)
キャメロンに関しても特にラストシーンが考察が足りていない部分もあるのですが、キーティング先生と出会ってから変わっていくキャメロンの表情の変化は思わず目が離せなかったし、観る度にキャメロンに感情移入していき、最後には愛おしさを感じる、そんなキャラクターでした。
 
詩の理解の授業では最後まで教科書を破ることに抵抗がある様子だったのが、次第にキーティング先生のことを尊敬に近い感情になっていき、死せる詩人の会のメンバーとも楽しそうに過ごす様子が見ることができて良かった。だからこそラストシーンのキャメロンの表情を観るのが辛くて。最後は、"机の上に立たない選択をした"し"立ちたくても立てなかった"の両方なのかなと思った。
 
1番ファンタジー感が強いと感じたのがノックスなら、1番人間味溢れるキャラクターだと感じたのがキャメロンでした。
この後の彼らがどうなるかは分からないけれど、彼が救われる未来であってほしいなと思います。
 
 
 
 
全体的な感想として。
 
「カーペディエム」「いまを生きる」がテーマのこの作品。
この作品を通して、自分にとっての「いまを生きる」って何だろうと考える機会にもなったし、コロナ禍の今だからこそこの作品を観劇できて良かったと強く思いました。
 
そして、このいま生きカンパニーがとても愛おしかった!カテコや舞台袖や出演者の皆さんのSNSを通してカンパニーの雰囲気の良さを感じ取れて。この舞台が終わっても、カンパニーの関係性が続いていくと良いなぁと思います。いま生きカンパニーの皆さんにIMPACTorsのライブに来てほしいな…。
 
 
 
 
改めて全29公演お疲れ様でした!
 
2021年の始まりに「いまを生きる」に出逢えて良かったです。
 
カーペディエム!
 

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